住宅ローン変動金利に関する記事ですが…
日銀ゼロ金利政策解除後の正常に戻りつつある金利環境のもと、変動金利型住宅ローンの基準金利となる「短期プライレート」も見直されました。その結果、住宅ローンの基準金利も引き上げられますが、各行、顧客囲い込みの観点から様々なサービスを利用している顧客向けに優遇金利の適用を実施することで引上げイメージが浸透しないよう、工夫しているということでしょうか。
住宅ローン変動金利、三菱UFJや三井住友など大手銀行上げ 「優遇」は競争激しく - 日本経済新聞 (nikkei.com)
借入時点の金利も重要ですが、変動金利型住宅ローンの場合、商品特性として「金利の見直し基準」と「返済額の見直し方法」を覚えておくことも重要となるでしょう。
【金利見直し基準】
金融機関の扱いにもよりますが、毎月1日に見直すケースと、年2回(4月1日と10月1日)見直すケースの2種類があります。
*毎月1日を基準日とし、利率は基準日における基準利率と前月1日の基準利率とを比較し、差が生じた場合にその差と同一幅で変更し、翌月返済日の翌日から適用します。
*年2回の場合は、4月1日を基準日として決まる適用金利は、同年6月の約定返済日の翌日から、10月1日を基 準日として決まる適用金利は、同年12月の約定返済日の翌日から適用されます。
【元利均等返済の返済額の見直し】
*5年ルール:借入後5回目の10月1日を基準日とする適用金利の見直しを行うまで返済額を一定のままとし、期間中、金利に変更があった場合も返済額は一定のままで、その内訳である元金と利息の金額を各々変更します。以降5年ごとに返済額の見直しが行われます。
*125%ルール:借入後5回目の10月1日を基準とした見直しにて毎回の返済額を再計算しますが、借入金利が上昇し返済額が増額となった場合でも、それまでの返済額の125%を上限とします。
但し、ここでポイントになるのは「金利情勢等により、当初の借入期間が満了しても未返済残高が生じる場合があり、この場合、原則として期日に一括返済する」という点です。
この20数年は、金利上昇局面が無く低金利が続いていたため「未返済残高が残る」という事例は発生していませんでしたが、今後、発生する可能性はありそうです。
単純計算ですが、5年前に「3000万円の住宅ローンを期間30年、金利:0.7%」で借入した場合、毎月の返済額は元利金で「92,414円」になりますが、この場合、125%ルールを適用すると「115,517円」が上限になります。
見直し時期の借入残高が「2600万円」となり、適用金利が「3.4%」になると元利金返済額は「115,305円」で、ギリギリ見直しできますが、「3.5%」となると未返済残高が残ることになりそうです。
ゼロ金利時代ではあり得ませんでしたが、今後の金利上昇局面を考えると、未返済残高が残るケースは多くなるのではないでしょうか。
単純計算ですが、5年前に「3000万円の住宅ローンを期間30年、金利:0.7%」で借入した場合、毎月の返済額は元利金で「92,414円」になりますが、この場合、125%ルールを適用すると「115,517円」が上限になります。
見直し時期の借入残高が「2600万円」となり、適用金利が「3.4%」になると元利金返済額は「115,305円」で、ギリギリ見直しできますが、「3.5%」となると未返済残高が残ることになりそうです。
ゼロ金利時代ではあり得ませんでしたが、今後の金利上昇局面を考えると、未返済残高が残るケースは多くなるのではないでしょうか。
となると、一般利用者の立場を考えると、金利見直し時期を見て他の金融機関から借り換えることを検討することが多くなりそうです。
金融機関にとっては、今年後半から来年にかけては、借り換えケースが多くなることも予想されるため、優遇金利を適用して差別化を図っているのでしょうかね…
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