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2024年7月の3件の投稿

2024年7月24日 (水)

地銀の新たなATM展開に関する記事です…

地方銀行である北海道銀行が、地元のコンビニ運営企業であるセイコーマートと提携、銀行ATMを道内600カ所のコンビニ店舗に設置するそうです。

北海道銀行、セイコーマート600店「道民のATM」 金融空白に一手 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

北海道銀行の店舗数は144(本支店136・出張所8)ですが、大半が道内の主要都市部に集中しているのが現状で、ATM網も中核都市を主体に展開されており、空白地である地域における顧客接点として活用できる点は、戦略上のメリットとして大きいでしょう。
SDGsによる金融包摂への対応という観点からすると「
金融サービスから取り残された人々が経済的に安定した暮らしができるよう、基本的金融サービスへのアクセスをサポートする取り組み」の一環として、ATMという半疑似顧客接点(バーチャルでもありリアルでもある点)を充実させる意味合いは評価できるのではないでしょうか。

設置されるATMの機能にもよりますが、現預金の入出金の他、振込・振替、公共料金支払い、各種手続き、資産運用、その他決済等、個人の方を対象とした各種サービスを提供できる多機能のATMであれば、周知方法を工夫することで高齢化が進む過疎地でのサービスモデルとしては有効に機能することも考えられます。また、銀行側が負担するであろう設置に関する手数料に関しても、自前でATMを保守管理するよりは効率が良く、銀行側としてはメリットが多いのではないでしょうか。

ただ、このモデルを全国の地銀に展開するとなると、そう簡単にはいかないのが現状ではないでしょうか。異業種から銀行業に参入が相次いでいる現状(コンビニも然り)を考えれば、地域の金融機関と大手コンビニが手を組むことはおそらく無いでしょう。
道内全域を営業基盤と考え、道内を中心とした店舗展開を行い、且つ、他の本州資本によるコンビニとは一線を画した様々なサービス展開を行っているセイコーマートだからこそ、期待が持てるのではないかと思われます。
コンビニ評価でも全国一位となるほどですし、道内地方の方々にしてみれば、ある意味、重要な生活基盤にもなっているコンビニとしての店舗網に、金融分野のサービスが提供されるモデルとして周知されれば、社会インフラととしても重要になるものと思われます。

おそらくですが、ATMが障害によりダウンした場合も、セイコーマートの従業員による人的対応により対処するBCP(Business Continuity Planning)も視野に入れた内容になっているのではないでしょうか。
ネットワーク化された現在のサービスは、障害発生時の「オフライン対応」を如何にして業務活動に取り込むかも重要な検討課題になっていますが、人的サポートを視野に入れた対策を講ずることは重要な要素になるのではないでしょうか。

記事にもありますが、地方銀行と地元の信用金庫が連携する地域における垂直型の業務連携は、既に全国でも事例として行われていますが、コンビニという新たな形態との連携によるサービスモデルがどのように進展するか見守りたいものです。

2024年7月 5日 (金)

決済サービスの動向に関する記事ですが…

電子マネーの決済が5カ月連続で減少する一方で、QRコード決済が増加しているそうです。

Suicaなど電子マネー落日、決済額5カ月連続減 PayPayなどQRコード決済が逆転 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

日本銀行の統計データ(PAYMENT AND SETTLEMENT STATISTICS (May 2024) (boj.or.jp) の定義によれば、電子マネーとは、プリペイド方式のうちIC型の電子マネーが対象になっているそうですが、2023年12月から5ヶ月連続して減少しています。
(<楽天Edy>、九州旅客鉄道株式会社<SUGOCA>、西日本旅客鉄道株式会社<ICOCA>、株式会社パスモ<PASMO>、東日本旅客鉄道株式会社<Suica>、北海道旅客鉄道株式会社<Kitaca>、イオン<WAON>、セブン<nanaco>の8機関)。
一方、デビットカードの利用は5年以上増加傾向にあり、2024年1~3月期も+21.3%(前年同期比)となっています。(本邦にてデビットカードを取り扱っている日本電子決済推進機構(JEPPO)、JCB、VISA、銀聯の4機関)

経済産業省が公表しているキャッシュレス決済比率の統計では、2023年度民間最終消費支出の39.4%が対象となり、クレジット:83.5%、デビット:2.9%、電子マネー:5.1%、コード決済:8.6%となっていますが、前年比で増加しているのはコード決済となっています。過去5年間の比率をみると、クレジットと電子マネーが減少、デビットとコード決済が増加という傾向になっています。(2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)

キャッシュレス決済に関しては、消費利用できる場所(=加盟店)と処理できる端末の普及、最終清算処理スキームが利用条件となりますが、QRコード決済は専用の端末が無くても、タブレットやスマフォにQRコードを表示し読み取ることで処理できることから、加盟店側が端末導入コスト等考慮しなくても良い点が、小売店など利用場所を拡大している可能性があります。また、今では、コンビニやセルフレジの普及によりコード決済を選択できる環境が整備されてる点もありますが、PayPayなど「決済とポイント」を連動する仕組みとなっている点も普及を後押ししている要因と思われます。
また、VISAやJCBがクレジット端末でのタッチ決済を推進していることから、デビット決済の比率が高くなっているものと思われますが、記事にも記載されているとおり、交通系の決済に関しては、クレジットに置き換わる可能性は高いのでしょう。

くしくも、今週、偽造防止を目的とした新紙幣が発行されましたが、紙幣を取り扱う民間事業会社は今年に入り、端末を入れ替えたり、紙幣を読み取るソフトを改良したり対応していますが(銀行のATMも新しくなった気がしますが…)、発生するこれらのコストを経済効果とし1兆6千億円と推測されるという記事もあります。しかし、決済サービスの利用が消費支出の4割弱まで迫っている現状を考えると、今後さらに拡大するとなった場合、「決済を必要とする」民間企業側のこれらシステム関連コスト負担をどう考えるべきか、真剣に検討する時期に差し掛かってきたのかも分かりません。
経営者としては、決済に関するサービスの質を低下させず、利用者に利便性を提供し続けるための方法を、時間とコストを加味しながら考えなければならない、ということでしょうか。

2024年7月 1日 (月)

MUFGの法人IBの障害問題ですが…

休み明けの朝から、MUFGの法人インターネットバンキングの利用ができない状態が続いていますが、今現在も、ログインできない状況です。

三菱UFJ、法人向けサービスの障害続く 手数料差額補償 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

17時時点の状況という事で、下記内容がホームページ上で公開されています。

2024年7月1日(月)、BizSTATION/MUFG Bizへログインできない事象が発生しております(7月1日17:00現在)

2024年7月1日(月)の朝方より、BizSTATION/MUFG Bizへログインできない事象が発生しております。
復旧に向けた作業を進めておりますが、現時点では解消の目途は立っておりません。
お急ぎのお取引につきましては、当行ATMやお取引のある他の金融機関等のご利用をお願いいたします。
(全銀・ANSER接続サービス、サーバ接続サービスについてもご利用ができません。)
なお、2024年6月28日(金)18時以降に、2024年7月1日(月)付け振込指定日の振込依頼(承認操作)を行われた場合は、振込処理が行われておりません。対象のお客さまには個別にご連絡いたします。
お客さまにはご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。

ここで、気になるのが、記載内容が、他人事のようにあっさりしている点ですが、28日(金)18時以降に本日付の振込指定をしていた処理が行われていないというコメントです。
弊社もMUFGの口座をメインとして利用していますが、幸い、28日前に月末処理を済ませたので問題ないですが、仮に、他行からの振込入金の処理なども滞っていたら、月末決済で問題になるでしょうね。
通帳記帳すると、月末口座振替の社会保険料等の支払いは、本日付で処理されていたので、インターネットバンキング系の障害だと推察されますが、月末休日明けの月曜日の朝に障害発生というのが、間が悪かったようにも思います。
MUFGですから、中小・小規模企業との取引は多くは無いように思いますが、障害発生から復旧までにかかる時間が長すぎるようにも思います。障害発生の際のシステム面での対応としては、金融庁でも「システムリスク管理態勢の整備」ということで指導していますが、システム障害が発生した場合には、どのくらいの時間で復旧させるか定義されているはずです。
明日の朝以降、障害は解消しているのか、また、銀行としてどのような説明をさせるのか、対応を見守るしかないでしょうが、それにしても、MUFGは、銀行証券による顧客情報の利用問題が発覚したばかりであり、組織体制面のほころびが顕著になっているようです。

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