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2023年12月の2件の投稿

2023年12月12日 (火)

金融機関におけるデジタル化に関する課題記事です…

デジタル化を前提とした金融システムの課題は、やはり、障害発生への対応がポイントになるということでしょうか。

「最強デジタル銀行」DBS変調 障害頻発、業績も踊り場 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

日本では、サービスを提供するインフラを如何にして持続的に稼働させれらるか=24時間365日稼働できる環境を構築することが求まられているのですが、銀行やカード会社、更には、通信に関わるキャリア会社のシステム障害も頻繁に発生しており、「言うは易し行うは難し」というところでしょうか。
記事にもありますが、新たなサービスを新技術で次々に開発することで、既存システムや開発されたシステム間において情報を連携させる仕組みが複雑になり、複合的な要因が絡み合い再開までに多大な時間を要してしまったようですが、国内におけるシステム障害についても同様のことが言えるのでしょう。

監督官庁としてはシステム障害発生時の対応として、監督指針などで復旧までの時間を定める等運用規定を設けると同時に、「金融機関のシステム障害に関する分析レポート01.pdf (fsa.go.jp)」を公表する等、システムリスク管理上の参考とすべく指導はしていますが、ブロックチェーンなど新たな技術が新規サービス開発に使用される状況下、対処方法も更に複雑になるのではないかと思われます。
また、システム構築や運用管理を開発ベンダーに丸投げするケーズも多々あることから、組織内の人的リソースが根本的に不足し、ガバナンス体制も整備されていないことも問題の一要因となっているのでしょう。

システムの安全性確保について検討すべき要素を考えると以下のとおりと思われますが、やはり、システム開発というよりも、オフラインでの運用方法も含めた運用パターンの構築が重要と思われます。
・緊急連絡網を含む非常時の対策体制の明確化
・基幹回線、営業回線等オンライン回線の考え方の明確化~耐震構造等の防災対応された建物設備等の施設や各機器の検討
・データの機密保護(漏洩・不正使用防止、個人情報の匿名性の維持・確保)
・ノーダウンシステムの維持・確立体制の整備(オフライン時の運用手法含む)
・データの安全性の確保と機密保護の確立を図る~暗号化、厳正な運用基準の制定等
・システム監査を含む運用のルール作り
・エンドユーザー側で発行、流通、還流の状況等が即時に把握できるような明確なルール作り

技術的には、サービス提供のデバイス端末として普及しているスマートフォンをベースにした各種サービス(決済・送金)を考えた場合、端末IDにより所有者が識別できているという前提で、障害時にはオフラインで端末内どおしで情報処理できるような(=仮払いによる資金決済で普及後清算される)仕組みも「緊急時アプリ」として提供できるのではないかと思います。

また、金融機関の経営面を考えると、収益性が低下する中、既存システムの運用保守も含めたシステム関連費用は経営全体コストの半数を占めると言われており、ITインフラの構築と運用が前提となる金融サービス提供を持続的に提供するには、今後更なる負担増加も見込まれます。
時代の流れの中で、想定されるサービスは全て提供できるようにするというフルバンキングの考え方ら、自らの業界でのポジションを考え、サービスは取捨選択するという考え方に転換する=特定の業務に特化し他サービスは他業態と連携するとい経営を行うことも必要になりそうですが、情報連携による基盤整備が鍵であり、どのように運用できるのか考える必要がありそうでう。

2023年12月 5日 (火)

Appleがゴールドマンにクレカ提携解消打診

アップルが米金融大手ゴールドマン・サックスに対し、クレジットカードと預金サービスの提携解消を打診したそうです。

Apple、ゴールドマンにクレジットカード提携解消を打診 米報道 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

今年の4月に開始されたアップル預金、最初の4日間で9億9000万ドル(約1360億円)もの預け入れがあったとブログで紹介したばかりですが、早々にサービスの基本提携を解消するようです。本田伸孝のつぶやき (hfmc-honda.com)

アップルのサービスは、アカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料ででき、後払いサービスも利用できるのですが、預金サービス提供により、「製品・サービス販売」「決済」「貯蓄」「ファイナンス」の全ての機能がアップル経済圏で利用できる環境が整ったのではないかと思っていたのですが、想定したほど普及しなかったのでしょうか。
おそらく、利用対象者が「米国在住者でApple Cardを契約しているユーザー」と限定的であったことも影響しているのでしょう。

スマホ市場が成熟の域に入っている中、決済サービス「アップルペイ」 などiPhoneを使ったサービス事業を強化しているようですが、世界的規模での事業化を考えると、各国の金融制度との関係等も考慮する必要があり、想像以上に難しいのでしょうか。
また、通常の銀行預金よりも高い金利を付与するモデルであったことから、コスト負担を考えると金融事業全体としての収益事業化が厳しかったことも予想できます。

それにしても、新規事業への参入に対する評価に関しては、米国企業の判断が想像以上に速いのには驚きます。日本では、新規事業を開始した後、事業からの撤退も含め見直しをするとしても、相応の期間の実績を見た上で判断するケースが大半であり、ある意味「機を逸する」ケースも多々あるのですが、米国の企業は、様々なケースを想定した事業プランをしっかり立てているからですかね。。。

国内でも、携帯キャリアであるドコモ(=じぶん銀行)やソフトバンク(=PayPayi銀行)も独自のクレジットカードと銀行預金とを連携させたサービスを提供していますが、普通預金金利は0.001%という状況であり、既に取引のある銀行預金から乗り換えるメリットが低いことから爆発的に拡大している訳ではないのが現状でしょう。

また、国内の統計を見ていると、高齢化が進む中でもスマフォ市場は成熟期にあうようで、今後は、デバイス端末であるスマフォで利用できるサービスの種類と質を如何にして高めるかという「サービス化」へ対応できるか否かがポイントになるようにも思います。
その際にも、端末販促のための利便性を提供するだけではなく、やはり「マネタイズ=収益事業化」をどのように実現できるかが重要になるのではないでしょうか。そういう意味で、最近、ドコモなどファイナンス機能を取り入れているのは、収益性を確保することが目的なのでしょうか。

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