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2021年12月26日 (日)

クレジットカードの新たな取り組みでしょうか…

提携カードの発行を行うフィンテックベンチャーの「ナッジ株式会社」が、行政と連携した事業を開始するという記事です。

提携クレカのナッジ、小松市と連携協定 決済で地方創生: 日本経済新聞 (nikkei.com)

フィンテック企業が金融サービスへ参入する場合「決済・送金」という分野が多くなっていますが、今回は、クレジットカードの機能をベースに「提携」先に対して、収益の一部を還元する仕組みを活用、小松市が提携先になるということで、地方創生のにも役立つ可能性があります。
記事にもあるように、小松市出身の方が、ナッジのカードを契約し、ふるさと納税のサイトで利用できるようにすれば、ふるさと納税のメリットにプラスしてカード利用代金の一部も小松市に還元されるのではないでしょうかね。
利用者としては、ナッジ社が提供するカードの機能として通常のクレジットカードにない付加価値もありますが、小松市が提供するサービスを利用できる特典もあるようで、社会貢献というキーワードを訴求することで利用者拡大も見込まれる可能性はあると思います。

因みに、ナッジ社の提供するカード機能の特徴は、入会審査の基準を緩和しているのか、利用上限額が10万円と抑えられている一方で、審査から利用可能までのプロセスは簡素化されているようです。
・専用アプリによる申し込み(本人確認はマイナンバー、運転免許証、パスポートの電子認証ができるもの)
・審査後、一週間ほどでカードが発行される
・アプリで最終登録することで利用が可能になる
・年会費は基本的に必要ない
・2カ月は利息が付かない
・利用後、都合の良い時に全国のセブン銀行ATMで返済ができる
・返済予定についてアプリ経由で事前通知がある

入り口段階で、本人か否か最低限確認できれば、あとは、利用実績によるモニタリング管理機能を実装することで「リスク」は抑えることが可能であり、従来型の与信審査は必要無いということでしょう。
今後は、クレジット決済をベースに、保険や資産運用など他のサービスを追加拡充することで、リスク管理の強化も含め「使われるカード」になると思われます。つまり、「組み込み型金融」という位置づけでサービスの内容を考えることで、新たな金融モデルを作ることは可能と思いますが、その入り口として「決済」は重要なファクターとして位置づけることができるのではないでしょうかね。

最近流行りの、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(続可能な開発目標)のキーワードはポイントになるのでしょうが、利用者にとって何が必要なのか、結果として社会全体にどのように影響があるのかという点を明確にすることも必要と思います。
利用者が気が付かない点を洗い出し、サービスとして提供することで、結果として社会貢献ができる、それを利用者と社会が共有できる橋渡しになるモデルを構築することで、既存の金融機関モデルにはない新たな事業を実現できるのではないでしょうか。

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