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2021年11月26日 (金)

コロナ対策における金融円滑化対応について…

金融庁が「中小企業等の金融の円滑化」について、政府当局者と各金融機関の代表との意見交換会を開催しました。

中小企業・小規模事業者に対する金融の円滑化について:金融庁 (fsa.go.jp)

政府の経済対策の発表を踏まえたもので、金融機関に対しては、以下10項目の内容について要請されているようです。
1.資金需要の高まる年末に対する資金繰り相談へ、きめ細かな支援を引き続き徹底する
2.コロナの影響が大きい主要業種へ重点的な対応を行う
3.政府による「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に盛り込まれた各種支援施策の実施を踏まえた対応を行う
4.既往債務の条件変更や借換等へ、事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応を行う
5.貸出条件緩和債権の判定における「実抜計画」等の柔軟な取扱い含めた資金繰り支援を行う
6.貸し渋り・貸し剥がしを行わず、最大限柔軟な資金繰り支援を行う
7.官民金融機関-保証協会-再生支援協議会-REVIC等が密に連携し、事業者の実情に応じた経営改善-事業再生支援を積極的に促進する
8.政府系金融機関の資本性劣後ローンの積極的な実施と活用を図る
9.メイン・非メイン先の別にかかわらず経営課題に直面する事業者に対しては能動的に本業支援を行う
10.「経営者保証に関するガイドライン」の一層の浸透-定着に努めると同時に『自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン』への対応にも留意する

政府系金融機関による実質無利子・無担保融資制度(=ゼロゼロ融資)の来年3月までの延長や、事業者のニーズに沿った見直しを行った上での「新型コロナ特別貸付」の4月以降の継続の措置を講じる等、政府による資金繰り支援策は充実しているようです。
ここで、課題になるのが、金融機関が真の意味での「経営改善支援₋本業支援」を行えるか否かという点ではないでしょうか。
要請事項の4項から10項までについては、リーマンショック後に施行された金融円滑化対応を継承する内容でもあり、事業再生支援実務の中では重要なファクターとなります。
実抜計画=実現可能性の高い抜本的な経営再建計画を如何にして策定するかに関しては、数年前から進められている「事業性評価による事業実態把握」がポイントになるはずですが、金融機関における取組み状況を見る限り上手く運用できるのか心配なところもあります。

コロナ禍でも金融機関の決算が改善基調にあるのは、実質リスクのない「ゼロゼロ融資」の取り扱いによる融資残高の増加による資金収益の改善と信用コストの低減が要因となっているはずです。ある意味、コロナ対策による資金繰り支援対応は事業の延命措置ともいわれており、これで良いのかという捉え方もあります。
コロナ克服後の新時代では、新たな事業転換の促進に舵を切るべきであり「事業性評価に基づく本業支援」の徹底が金融仲介に求められるテーマになるはずですが、金融機関自らがリスクを評価し取り込みながら活動する体質に変わることができるのかが鍵になるのではないでしょうか。

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