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2024年7月 5日 (金)

決済サービスの動向に関する記事ですが…

電子マネーの決済が5カ月連続で減少する一方で、QRコード決済が増加しているそうです。

Suicaなど電子マネー落日、決済額5カ月連続減 PayPayなどQRコード決済が逆転 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

日本銀行の統計データ(PAYMENT AND SETTLEMENT STATISTICS (May 2024) (boj.or.jp) の定義によれば、電子マネーとは、プリペイド方式のうちIC型の電子マネーが対象になっているそうですが、2023年12月から5ヶ月連続して減少しています。
(<楽天Edy>、九州旅客鉄道株式会社<SUGOCA>、西日本旅客鉄道株式会社<ICOCA>、株式会社パスモ<PASMO>、東日本旅客鉄道株式会社<Suica>、北海道旅客鉄道株式会社<Kitaca>、イオン<WAON>、セブン<nanaco>の8機関)。
一方、デビットカードの利用は5年以上増加傾向にあり、2024年1~3月期も+21.3%(前年同期比)となっています。(本邦にてデビットカードを取り扱っている日本電子決済推進機構(JEPPO)、JCB、VISA、銀聯の4機関)

経済産業省が公表しているキャッシュレス決済比率の統計では、2023年度民間最終消費支出の39.4%が対象となり、クレジット:83.5%、デビット:2.9%、電子マネー:5.1%、コード決済:8.6%となっていますが、前年比で増加しているのはコード決済となっています。過去5年間の比率をみると、クレジットと電子マネーが減少、デビットとコード決済が増加という傾向になっています。(2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)

キャッシュレス決済に関しては、消費利用できる場所(=加盟店)と処理できる端末の普及、最終清算処理スキームが利用条件となりますが、QRコード決済は専用の端末が無くても、タブレットやスマフォにQRコードを表示し読み取ることで処理できることから、加盟店側が端末導入コスト等考慮しなくても良い点が、小売店など利用場所を拡大している可能性があります。また、今では、コンビニやセルフレジの普及によりコード決済を選択できる環境が整備されてる点もありますが、PayPayなど「決済とポイント」を連動する仕組みとなっている点も普及を後押ししている要因と思われます。
また、VISAやJCBがクレジット端末でのタッチ決済を推進していることから、デビット決済の比率が高くなっているものと思われますが、記事にも記載されているとおり、交通系の決済に関しては、クレジットに置き換わる可能性は高いのでしょう。

くしくも、今週、偽造防止を目的とした新紙幣が発行されましたが、紙幣を取り扱う民間事業会社は今年に入り、端末を入れ替えたり、紙幣を読み取るソフトを改良したり対応していますが(銀行のATMも新しくなった気がしますが…)、発生するこれらのコストを経済効果とし1兆6千億円と推測されるという記事もあります。しかし、決済サービスの利用が消費支出の4割弱まで迫っている現状を考えると、今後さらに拡大するとなった場合、「決済を必要とする」民間企業側のこれらシステム関連コスト負担をどう考えるべきか、真剣に検討する時期に差し掛かってきたのかも分かりません。
経営者としては、決済に関するサービスの質を低下させず、利用者に利便性を提供し続けるための方法を、時間とコストを加味しながら考えなければならない、ということでしょうか。

2024年7月 1日 (月)

MUFGの法人IBの障害問題ですが…

休み明けの朝から、MUFGの法人インターネットバンキングの利用ができない状態が続いていますが、今現在も、ログインできない状況です。

三菱UFJ、法人向けサービスの障害続く 手数料差額補償 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

17時時点の状況という事で、下記内容がホームページ上で公開されています。

2024年7月1日(月)、BizSTATION/MUFG Bizへログインできない事象が発生しております(7月1日17:00現在)

2024年7月1日(月)の朝方より、BizSTATION/MUFG Bizへログインできない事象が発生しております。
復旧に向けた作業を進めておりますが、現時点では解消の目途は立っておりません。
お急ぎのお取引につきましては、当行ATMやお取引のある他の金融機関等のご利用をお願いいたします。
(全銀・ANSER接続サービス、サーバ接続サービスについてもご利用ができません。)
なお、2024年6月28日(金)18時以降に、2024年7月1日(月)付け振込指定日の振込依頼(承認操作)を行われた場合は、振込処理が行われておりません。対象のお客さまには個別にご連絡いたします。
お客さまにはご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。

ここで、気になるのが、記載内容が、他人事のようにあっさりしている点ですが、28日(金)18時以降に本日付の振込指定をしていた処理が行われていないというコメントです。
弊社もMUFGの口座をメインとして利用していますが、幸い、28日前に月末処理を済ませたので問題ないですが、仮に、他行からの振込入金の処理なども滞っていたら、月末決済で問題になるでしょうね。
通帳記帳すると、月末口座振替の社会保険料等の支払いは、本日付で処理されていたので、インターネットバンキング系の障害だと推察されますが、月末休日明けの月曜日の朝に障害発生というのが、間が悪かったようにも思います。
MUFGですから、中小・小規模企業との取引は多くは無いように思いますが、障害発生から復旧までにかかる時間が長すぎるようにも思います。障害発生の際のシステム面での対応としては、金融庁でも「システムリスク管理態勢の整備」ということで指導していますが、システム障害が発生した場合には、どのくらいの時間で復旧させるか定義されているはずです。
明日の朝以降、障害は解消しているのか、また、銀行としてどのような説明をさせるのか、対応を見守るしかないでしょうが、それにしても、MUFGは、銀行証券による顧客情報の利用問題が発覚したばかりであり、組織体制面のほころびが顕著になっているようです。

2024年6月 8日 (土)

事業性融資推進法が成立しました

企業が持つ技術力や成長性など企業価値を担保に設定して融資する「企業価値担保権」を盛り込んだ事業性融資推進法が参院本会議で可決、成立したという記事です。担保の登記システムの整備や適切な利用を支援する機関の設立などを進め、事業者と金融機関が利用しやすい環境を整え、2年半以内に施行されるようです。

企業価値を担保に融資、成長融資促す新法が成立 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

本件は、昨年の1月に金融審議会(首相の諮問機関)が新制度案として示していたのですが、1年遅れで法案が成立したことになります。2023年1月25日のブログでも記載しましたが本田伸孝のつぶやき (hfmc-honda.com) これまでの融資慣行である「不動産担保や信用保証」による保全措置から、契約通り債務履行できるか=事業を継続・維持・発展させることは可能なのか、事業性の評価ノウハウが重要な要素になるものと思われます。

ここ数年、金融機関は「担保や保証に過度に依存しない、事業性評価に基づく融資」の励行を指導されてきましたが、なかなか、改善できていないという現況を考えれば、本制度が普及するか否かは、やはり、運用側である金融機関の体制面の整備次第ではないでしょうか。
審査の入口段階で、担保の対価となる事業価値の評価の算定根拠を「利用者である事業会社」に正しく説明できるようにすることも必要になるのでしょうし、プロジェクトファイナンス等で利用される「コベナンツ条項」の取り扱いなども重要に要素になりそうですが、具体化して浸透させるには相応の期間が必要でしょう。

一方、昨日、金融庁からは「コロナ資金繰り支援策の転換を踏まえた事業者支援の徹底」するように要請文を発しています。PDF版
コロナセーフティネット保証4号やコロナ借換保証は6月末の期限を以て原則終了、日本政策金融公庫等の新型コロナウイルス感染症特別貸付等の金利引き下げについても終了する等、各種資金繰り支援策についてはコロナ前の水準に戻して、経営改善・再生支援に重点を置いた資金繰り支援にすることを目指すようです。
また、事業再生を支援する上で、税金や社会保険料の支払いがネックになるケースもあることから、「事業再生情報ネットワーク」なるものも創設し、関係者が情報共有することで、支援策の策定をスムーズに行う事を目的にしているようです。

経営改善・再生支援と言われてもう何年にもなるでしょうか。おそらく、2009年の金融円滑化法施行後から、時々の情勢を考慮しながら方法を見直しながら進められてきましたが、「事業活動からどれくらいのキャッシュを生み出すことができるのか=返済原資を正しく見極める」という根本部分の考え方は、今回の「事業性融資推進法」の基本的考え方に変わりないように思います。
事業実態を正しく評価することが大前提になるかとは思いますが、決算数値だけでない様々な経営資源の要素を「評価」する基準を標準化するこができるか否かが重要になるはずです。
しかし、この考え方を一部企業だけではなく、取引先企業全てに適用するとなると、金融機関側の体制面や運用面ではまだまだ実現できていないのが現状でしょう。

2024年4月26日 (金)

マネロン対応に関連する記事ですが…

金融機関窓口における送金業務において、本来あるべき確認義務を果たせていたのか否かという事で問題視されているようです。

不審送金「見逃し」疑惑、メガバンク1行は異常検知で送金拒否…きらぼし銀行は80回・4億円超の送金も「適切に対応」(読売新聞オンライン) 

最近、SNS上で著名人になりすました“ニセ広告”で詐欺被害に遭った被害者が急増していると、話題にもなっていますが、今回も同様に投資詐欺に合ったケースです。ただ、問題となっているのは、金融機関窓口において、多額の送金を継続的に行っていた点のようです。

金融機関では、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止(AML/CFT)対応に関して取り組むべき内容が、監督官庁からガイドラインで指導されています。
国家としての体制整備状況を審査する政府間会合であるFATFにより各国の取組状況に関する審査が行われていますが、我が国は、2021年8月30日に公表された4次審査結果で「重点フォローアップ対象国」という位置付けになりましたので、最終評価期限(5年後)までにFATFへ改善報告を行う必要があり、監督官庁である金融庁でも、指摘された事項について、より一層管理を強化するように各金融機関を指導しています。
今月2日には金融庁から「マネロン・テロ資金供与対策ガイドライン に関する よくあるご質問(FAQ)も公表されています。(「マネロン・テロ資金供与対策ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」の改訂版公表について:金融庁 (fsa.go.jp))


今回の問題に関しては、「取引受入れ時の対応」として、イレギュラーなものであったのか否か、組織的に運用面からも検証する必要がありそうです。記事を読む限り、国内における送金なのか、または、海外送金なのか明確には記載されいませんが、国内送金であっても、受取人が個人、特に外国人の方であった場合、金額が大きくなれば送金の目的や受取人の素性など確認すべき要素は多くなるはずですが、この点について問題がなかったのでしょうか。
インターネットバンキングによる送金取扱いではなく、窓口における送金受付ということであれば、なおさら、記事のように多額かつ多頻度の送金取組になることは無く、未然に防げた可能性が高いと思われます。
インターネットバンキングでも、送金処理ができる金額を一定限度額に設定されるケースや、本人に二段階認証を行う等対策を講じているケースもありますので、ここまでの状況にならなかったのではないでしょうか。

ただ、全ての案件に対して人海戦術で対応することは難しい状況にもなっていますので、ある意味、情報の高度利活用という観点からIT化を強化することも必要になるのではないかと思います。第一の防衛線(営業店における受付)、第二の防衛線(継続的な顧客管理の取組み)における活用パターンを実践できる環境を整備することが重要になるのではないでしょうか。HFMコンサルティング (hfmc-honda.com)

2024年3月11日 (月)

再生支援の総合的対策に関する記事です…

4月、民間金融機関による実質無利子・無担保融資の返済開始の最後のピークを迎えることから、官民金融機関等による再生支援等を一層促すための、経済産業省・金融庁・財務省は「再生支援の総合的対策」を発表しました。

不良債権の分類ルール、コロナ緊急措置を終了へ 金融庁 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

再生支援の総合的対策01.pdf (fsa.go.jp)

政府系関係機関の支援の他、民間金融機関に対しては、2024事務年度の監督指針の改正も含め、4月以降以下の対応を求めるそうです。
①事業者の現状のみならず状況の変化の兆候を把握し、一歩先を見据えた対応を求める
 ・日常的・継続的な関係強化を通じた事業者の予兆管理と認識共有(プッシュ型での情報提供)
 ・メイン・非メインに関わらず金融機関自身の経営資源の状況を踏まえた対応促進
②事業者の経営改善や事業再生を先送りしないため「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」等の策定を促進
③昨年実施した重点的なヒアリングの結果を踏まえ、各地域における事業者支援態勢の構築・発展に向けた取組みを一層促進

事業者の経営改善・事業再生を先送りしないため、早期に経営再建計画等の策定支援を行うことを目的としているようですが、過去の金融監督行政の推移をみる限り、抜本的な改革は行われていなかったのが実情でしょう。
2008年のリーマンショック後の金融円滑化法による支援から、型を変えては支援を続けてきた結果、過去からの支援で生き延びてきた企業への抜本的な改善は行われていないように思われます(暫定リスケによる返済延期も含め…)。
Kinyu

また、日銀によるゼロ金利政策は4月以降見直される可能性が高まっていますが、金利水準が正常に戻れば、これまで「業績が著しく悪化していて、本来であれば事業継続が難しいにもかかわらず、金融機関等の金融支援により延命している」企業は金利上昇を乗り切るのは極めて難しくなる可能性もあります。
・低金利でも利払いに苦労している企業は高金利の下では利払いにますます苦労することが明らかであり、新たな資金調達がいっそう難しくなる
・高金利の時代では、より安全な資金運用方法により十分に収益を上げられるから、投資家や金融機関は不良企業へ融資を行おうという意欲が弱まる

本来整理すべきであったが延命されてきた企業を抜本的に改革すべく、何年も前から「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」を策定し支援するよう、官民で色々な対策を講じてきたはずですが、実現されていない現状を考えれば、今後も変わりないのではないでしょうか。
監督官庁は、これまでどおり金融機関に取組み実績の報告を求めるでしょうが、形ばかりの報告だけで、実のあるものにならない可能性が高いと思うのは私だけでしょうか…

2024年2月15日 (木)

地銀の決算に関する記事ですが…

上場地方銀行の第三四半期までの決算に関して、与信関係費用が増加し減収になっているという記事です。メガバンクは増収の決算となっていますが、地銀は厳しい状況にあるようです。

地方銀行、不良債権処理などの与信関係費用3割増 大手銀行と明暗 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

与信費用に関しては、前年同期と比べ3割増加しているようですが、倒産件数の推移や問題となっている「ゼロゼロ融資」の返済開始による資金繰り悪化を加味すると、第4四半期も回復する気配はなく通年でも前年を上回ることが予想されます。
一方で、株価に関しては過去30年来の高値を更新する等順調のようで有価証券の含み益としてプラスに働くのでしょうが、反面、日銀の金融政策見直しによる金利正常化への転換は、国債価格への影響も考えられマイナス要因となる可能性もあります。更に、円安が相当進んでいる点を考えると外貨建ての運用資産についての影響も考慮する必要が出てきます。
金融機関毎の運用ポートフォリオによっり一概には言えませんが、地域金融機関の経営にとって与信費用の増加はプラスに働かないのは明白でしょう。

大手企業の決算内容を見る限り、景気は回復傾向にあり、賃金引き上げも政府が指導するように実現されつつありますが、国内景気は本当に順調なのかといえば、マイナス要因も多く、急回復することは望めないのではないでしょうか。
地域金融機関が支援する、中小企業の経営に関しては、地域によっては前向きな投資による資金需要も出てきてはいるようですが、中小企業景況調査(2023年10-12月期)の結果(令和5年12月12日)である業況判断IDは2期連続でマイナスを記録する等、回復基調とはほど遠いように思われます。

4月以降本格化する「ゼロゼロ融資」の返済への対応に関して、保証協会の協力もあり条件変更等により処理してきたのが実情ですが、抜本的な改革には手を付けることなく、先延ばしに過ぎなかった点を考えると問題が顕在化する可能性があります。
また、円安状態が今後も続けば、原材料等の輸入価格への影響も考えられ、国内市場をベースとする中小企業にとっては更に経営悪化に陥る可能性もあります。一部業種によっては訪日外国人の増加等によりプラスに働く可能性はあるものの、少子高齢化による人材不足という根本的なファクター改善が見込めない現状を考えれば、地域金融機関がメインとして支える中小企業の経営は総じて厳しさを増し、銀行が融資している貸出債権の評価も劣化する可能性が極めて高くなります。
次年度も引き続き経営が「V字回復」する可能性は極めて低くなるのではないでしょうか。

2023年12月12日 (火)

金融機関におけるデジタル化に関する課題記事です…

デジタル化を前提とした金融システムの課題は、やはり、障害発生への対応がポイントになるということでしょうか。

「最強デジタル銀行」DBS変調 障害頻発、業績も踊り場 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

日本では、サービスを提供するインフラを如何にして持続的に稼働させれらるか=24時間365日稼働できる環境を構築することが求まられているのですが、銀行やカード会社、更には、通信に関わるキャリア会社のシステム障害も頻繁に発生しており、「言うは易し行うは難し」というところでしょうか。
記事にもありますが、新たなサービスを新技術で次々に開発することで、既存システムや開発されたシステム間において情報を連携させる仕組みが複雑になり、複合的な要因が絡み合い再開までに多大な時間を要してしまったようですが、国内におけるシステム障害についても同様のことが言えるのでしょう。

監督官庁としてはシステム障害発生時の対応として、監督指針などで復旧までの時間を定める等運用規定を設けると同時に、「金融機関のシステム障害に関する分析レポート01.pdf (fsa.go.jp)」を公表する等、システムリスク管理上の参考とすべく指導はしていますが、ブロックチェーンなど新たな技術が新規サービス開発に使用される状況下、対処方法も更に複雑になるのではないかと思われます。
また、システム構築や運用管理を開発ベンダーに丸投げするケーズも多々あることから、組織内の人的リソースが根本的に不足し、ガバナンス体制も整備されていないことも問題の一要因となっているのでしょう。

システムの安全性確保について検討すべき要素を考えると以下のとおりと思われますが、やはり、システム開発というよりも、オフラインでの運用方法も含めた運用パターンの構築が重要と思われます。
・緊急連絡網を含む非常時の対策体制の明確化
・基幹回線、営業回線等オンライン回線の考え方の明確化~耐震構造等の防災対応された建物設備等の施設や各機器の検討
・データの機密保護(漏洩・不正使用防止、個人情報の匿名性の維持・確保)
・ノーダウンシステムの維持・確立体制の整備(オフライン時の運用手法含む)
・データの安全性の確保と機密保護の確立を図る~暗号化、厳正な運用基準の制定等
・システム監査を含む運用のルール作り
・エンドユーザー側で発行、流通、還流の状況等が即時に把握できるような明確なルール作り

技術的には、サービス提供のデバイス端末として普及しているスマートフォンをベースにした各種サービス(決済・送金)を考えた場合、端末IDにより所有者が識別できているという前提で、障害時にはオフラインで端末内どおしで情報処理できるような(=仮払いによる資金決済で普及後清算される)仕組みも「緊急時アプリ」として提供できるのではないかと思います。

また、金融機関の経営面を考えると、収益性が低下する中、既存システムの運用保守も含めたシステム関連費用は経営全体コストの半数を占めると言われており、ITインフラの構築と運用が前提となる金融サービス提供を持続的に提供するには、今後更なる負担増加も見込まれます。
時代の流れの中で、想定されるサービスは全て提供できるようにするというフルバンキングの考え方ら、自らの業界でのポジションを考え、サービスは取捨選択するという考え方に転換する=特定の業務に特化し他サービスは他業態と連携するとい経営を行うことも必要になりそうですが、情報連携による基盤整備が鍵であり、どのように運用できるのか考える必要がありそうでう。

2023年12月 5日 (火)

Appleがゴールドマンにクレカ提携解消打診

アップルが米金融大手ゴールドマン・サックスに対し、クレジットカードと預金サービスの提携解消を打診したそうです。

Apple、ゴールドマンにクレジットカード提携解消を打診 米報道 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

今年の4月に開始されたアップル預金、最初の4日間で9億9000万ドル(約1360億円)もの預け入れがあったとブログで紹介したばかりですが、早々にサービスの基本提携を解消するようです。本田伸孝のつぶやき (hfmc-honda.com)

アップルのサービスは、アカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料ででき、後払いサービスも利用できるのですが、預金サービス提供により、「製品・サービス販売」「決済」「貯蓄」「ファイナンス」の全ての機能がアップル経済圏で利用できる環境が整ったのではないかと思っていたのですが、想定したほど普及しなかったのでしょうか。
おそらく、利用対象者が「米国在住者でApple Cardを契約しているユーザー」と限定的であったことも影響しているのでしょう。

スマホ市場が成熟の域に入っている中、決済サービス「アップルペイ」 などiPhoneを使ったサービス事業を強化しているようですが、世界的規模での事業化を考えると、各国の金融制度との関係等も考慮する必要があり、想像以上に難しいのでしょうか。
また、通常の銀行預金よりも高い金利を付与するモデルであったことから、コスト負担を考えると金融事業全体としての収益事業化が厳しかったことも予想できます。

それにしても、新規事業への参入に対する評価に関しては、米国企業の判断が想像以上に速いのには驚きます。日本では、新規事業を開始した後、事業からの撤退も含め見直しをするとしても、相応の期間の実績を見た上で判断するケースが大半であり、ある意味「機を逸する」ケースも多々あるのですが、米国の企業は、様々なケースを想定した事業プランをしっかり立てているからですかね。。。

国内でも、携帯キャリアであるドコモ(=じぶん銀行)やソフトバンク(=PayPayi銀行)も独自のクレジットカードと銀行預金とを連携させたサービスを提供していますが、普通預金金利は0.001%という状況であり、既に取引のある銀行預金から乗り換えるメリットが低いことから爆発的に拡大している訳ではないのが現状でしょう。

また、国内の統計を見ていると、高齢化が進む中でもスマフォ市場は成熟期にあうようで、今後は、デバイス端末であるスマフォで利用できるサービスの種類と質を如何にして高めるかという「サービス化」へ対応できるか否かがポイントになるようにも思います。
その際にも、端末販促のための利便性を提供するだけではなく、やはり「マネタイズ=収益事業化」をどのように実現できるかが重要になるのではないでしょうか。そういう意味で、最近、ドコモなどファイナンス機能を取り入れているのは、収益性を確保することが目的なのでしょうか。

2023年11月20日 (月)

地銀の9月末決算に関する記事ですが…

地方銀行の決算が出そろったようですが、取組姿勢にもより増益組と減益組と分かれているようです。

倒産増加の影響は? 地銀4~9月期決算まとめ読み - 日本経済新聞 (nikkei.com)

金利上昇局面に入り、大手銀行収益はプラスに転じていますが、地域金融機関ではマイナスに働くケースも多くなっているようで、企業業績の低迷による不良債権処理費用の負担も影響しているようです。
金利上昇による経営への影響を考えると、以下の通りプラスに働くことは限定的であり、マイナス面の影響が大きいのではないでしょうか。
1.今回の修正による金利上昇は長期金利が中心であり、短期金利に連動する変動金利が中心である住宅ローンや企業向け貸出の金利に大きな影響はない。長期固定金利の住宅ローンや企業向け貸出、社債の金利には影響するものの、今後の新規貸出から段階的に反映されるため、直ぐにプラスに働くことはない
2.地域金融機関は、これまで政策金利や市場金利が横ばいで推移するなかでも、貸出金利を引き下げ、貸出残高を増やす戦略を採用しており、今後、日銀がさらなる政策修正に動いた場合も、すぐさま貸出金利を引き上げられるかは不透明
3.一方で、各種の悪化要因となるストレスの長期化により業績不振に陥る企業が増加、信用コスト面の負担が収益悪化につながる可能性がある
4.更に、地域金融機関は、余資運用において、超長期の円債保有を増増やしており、超長期金利の上昇は、むしろ、保有円債の評価損の増加につながる

やはり、3.の不良債権処理費用に関しては、今後、増加に転じるのは明らかと思われます。
これまでの、政策的な対応を加味すると、本来、市場から退場せざるをいない企業が延命措置(金融円滑化法による貸出条件変更、コロナ禍による助成金などの現金給付、ゼロゼロ融資による金融支援)により存続してきましたが、限界に近付いているのではないでしょうか。

金融機関としては、今後、本格的な事業再生支援に取り組むべき時期になると思われますが、体制面も含め対応できる状況になっていないしょう。不良債権処理費用の算定根拠となる「自己査定」による債権評価基準については、2019年の金融検査マニュアル廃止により見直しをすべきところ、7割近くの金融機関が未着手の状態にある点も懸念材料と思います。
過去の不良債権処理状況を年代別にみると、ここ10年以上低位に推移していますが、今後は上昇に転じ、金融機関経営を圧迫する可能性が極めて高くなるのではないかと思います。

Defolt

2023年10月19日 (木)

保証協会融資の債権放棄に関する記事です…

経営が厳しく金融債務の負担が大きい企業を再生支援する場合、私的整理等による再建を目指す際、計画立案を前提に債務削減=債権放棄による支援を行うケースが多いのですが、その際問題となっていたのが、信用保証協会の保証付き融資の扱いです。
記事にもあるように、民間金融機関が自前融資の債権を放棄しても、保証協会への債務は残ることになります。保証協会が計画を認めたとしても、保証債務を肩代わる原資は税金になるため、債権を放棄するには各自治体の議会による承認を得る必要があり、計画実現までに2~3カ月以上の期間を更に要するケースもありました。

保証協会融資、知事決裁で債権放棄可能に 29都道府県 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

全国47都道府県のうち、29の都道府県で議会承認を経ずに知事決裁で債権放棄を判断できるようになったことは、再生支援をする上では重要なポイントになるでしょう。
コロナ禍の際の支援策として実施された「ゼロゼロ融資(http://www.hfmc-honda.com/index-BLOG_20220110.html)」の返済が本格化、来年4月には最後のピークを迎えるようです。また、円安や原油高、更には、原発の処理水問題による海産物の輸出規制等中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しており、再生支援を求めるニーズは今後さらに高まるものと思われます。

ゼロゼロ融資は大半が信用保証協会の保証付きであり、信用保証の取扱い実績の推移をみても2020年に急増する一方で、今年に入ってから代位弁済の割合が増加に転じています。

Graph

本来、再生計画を立案する際には、その内容が「実現可能性の高い=実抜計画」または 「合理的で実現可能性がある=合実計画」である必要がありますが、計画における債権放棄などの支援の額が確定しており、当該計画を超える追加的支援が必要と見込まれる状況でないことという前提条件があり、債権放棄の額を確定した再生スキームを円滑に行う上でも、今回の記事にある扱いはプラスになるのではないでしょうか。

しかし、現時点における金融機関の対応は、具体的な再建計画を立案するというよりも、約定返済を一時的に猶予する条件変更で対処するのが一般的であり、問題の先送りという状況のようです。
今年に入り倒産件数は増加に転じているようですが、来年には金利引き上げの可能性も出てきた中、経済活動の低迷が続き経営に困窮する企業は更に増加するのではないでしょうか。
中小・小規模企業が、本当に再生できるのか否か見極め支援する体制を整備するには、地域金融機関の役割が重要となりますが、積極的に取り組んでいる金融機関が見当たらないのは、保証付き融資であるがゆえに金融機関が直接的にリスク負担する必要がないからなのでしょうか。
金融機関の運営姿勢に課題があるように思われます。

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